孤独死の現場では、ゴキブリをはじめとする害虫が発生しやすく、死後時間が経つほど発生率は高まります。害虫の発生は、室内の環境悪化だけでなく、近隣住民に迷惑がかかる可能性もあるため、適切な対処法をしておかなくてはいけません。
この記事では、孤独死の現場でゴキブリが発生しているとき、どのように対処したら良いのか・発生を抑える方法はあるのかなど、ゴキブリの対策について解説します。
この記事を読んで分かること
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孤独死の現場にゴキブリが発生する理由
孤独死のあと、現場にすぐにゴキブリが発生するとは限りません。ゴキブリが発生しやすくなるのには、以下の理由が要因となっています。
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
遺体の腐敗が進んでいる
孤独死の現場では、亡くなってからすぐに遺体が発見されるケースは少なく、発見されたタイミングで遺体の腐敗が進んでいると腐敗臭が発生します。この腐敗臭がゴキブリを引き寄せるほか、遺体がゴキブリのエサになってしまうこともあるのです。
遺体の腐敗が進みやすい室内環境として、以下の条件が挙げられます。
これらの条件に該当する部屋では、孤独死から発見まで期間が短くとも、遺体の腐敗が進んでしまうため注意が必要です。ゴキブリが遺体を侵食しているのは、遺体の腐敗が進んでいる証拠であり、ゴキブリが大量発生している可能性が高い状況です。
室内環境がゴキブリに適している
孤独死の現場となった部屋が、以前からゴミ屋敷と化していた場合、生ゴミ・弁当の食べ残し・段ボールなどが多く残っています。これが、もともと室内にいたゴキブリのエサとなり、大量発生につながってしまいます。ゴミ屋敷になるのには、一人暮らしの高齢者がゴミ出しをできない・セルフネグレクトの状況に陥り生活がままならないなどの要因が考えられます。
また、通気性が悪い・湿度が高いなどの条件が揃った部屋も、ゴキブリに適した住み家となり、繁殖しやすくなるのです。不衛生な環境を好むゴキブリにとって、孤独死の現場は安心して住める場所と言えるでしょう。
ゴキブリの生命力や繁殖力が強い
ゴキブリは、3億年も前から地球上で生息しており、「生きた化石」と呼ばれるほど、生命力や繁殖力がとても強い害虫です。その力は、長期間エサを食べなくとも生き延びることができるほどです。
1匹のメスが生涯に産む卵は500匹前後とされています。ゴキブリの卵を包んでいる卵鞘は、殺虫剤が効かないほど強固であるうえ、幼虫から成虫になるまでのサイクルは長くて1年程度です。この数値からも、ゴキブリの繁殖力の強さが分かるでしょう。
加えて、ゴキブリの糞にはフェロモンが含まれており、臭いで仲間を呼び寄せる性質を持っています。ゴキブリの数が増えると糞も増え、さらにゴキブリの数が増えるといった負の連鎖に陥ってしまうのです。
ゴキブリ以外に発生しやすい害虫
孤独死から時間が経った現場には、ゴキブリ以外にも以下の害虫が発生する可能性があります。
- ウジ虫・ハエ
- シデムシ
- チャタテムシ
- ヒメマルカツオブシムシ
- 紙魚
ここでは、それぞれの害虫の特徴を簡単に解説します。
ウジ虫・ハエ
ウジ虫はハエの幼虫であり、孤独死した遺体の臭いに誘われて集まってくることがあります。体が小さいうえ市販の殺虫剤が効かず、大量発生するリスクが高いため注意が必要です。
ウジ虫の状態からおよそ2週間経つと、ハエの姿に成長し、遺体の臭いに誘われて遺体に卵を産み付けます。部屋の窓やドアを閉め切っても、ほんの少しの隙間から室内に侵入し、大量発生につながってしまうのです。
シデムシ
シデムシを漢字で書くと「死出虫」となり、文字通り死体がある場所に出てくる虫です。屋外の土の中で生息しており、通常室内で見かけることはほとんどありませんが、死体や死体周辺にいるウジ虫を食料としています。
チャタテムシ
カビを食べて繁殖するチャタテムシは、ダニとよく似た外見を持つ害虫です。寒い場所が苦手な反面、湿度が高い場所を好み、孤独死の現場のほかにふすまや押入れの中などで多く見かけられます。
ヒメマルカツオブシムシ
ヒメマルカツオブシムシは、乾燥食品(鰹節や穀物など)・食べかす・衣類・繊維製品(羊毛やシルクなど)を好む害虫です。長く使用していないクローゼットや保管している衣類などに見られるほか、紙箱やダンボールなどに穴を開ける傾向にあります。
紙魚(シミ)
紙類を好む紙魚は、体型が魚に良く似ている銀色の虫です。夜行性であり、人体に直接影響はないものの、奇妙な姿や動き方が特徴です。エサを食べなくても1年以上生息でき、寿命は7~8年と、虫の中では長生きの部類に入ります。
孤独死の現場で発生したゴキブリを放置するリスク
孤独死の現場で発生した、ゴキブリをはじめとする害虫に適切な処置をせず放置すると、以下のようにさまざまなリスクが想定されます。
それぞれのリスクの内容をしっかりと理解しておきましょう。
室内に臭いが染みついてしまう
孤独死の状態で発見された場合、遺体は警察によって引き取られますが、その後も室内には強烈な臭いが残ります。この臭いは、以下のように例えられるほど強く、気分が悪くなってしまうほどです。
- 生ゴミや乳製品が腐った臭い
- ドブの臭い
- クサヤ(魚類の干物の一種)
- 熟成が進んだチーズ
遺体から死臭が発生するのは、微生物が人体の細胞やタンパク質を分解して腐乱させるためです。生きている間は、細胞が働いているため腐乱しませんが、亡くなると免疫がなくなり微生物が大量に増殖します。
死臭は室内に染みつき、取れにくい特徴があるだけでなく、周囲の部屋や周辺の住宅へ臭いが広がってしまいます。この結果、近隣トラブルにつながるケースも少なくありません。
害虫が部屋から逃げ出しさらに繁殖する
死臭に引き寄せられた害虫は、遺体に卵を産み付けさらに数を増やします。特に、雑食性のゴキブリは遺体の髪の毛もエサにしてしまい、繁殖を続けます。
害虫が増え続けると、遺体だけでなく遺品や家屋などにも被害を及ぼすため、室内は荒れる一方です。害虫が部屋から逃げ出し、近隣の家に入り込むと、トラブルにつながる可能性が高まります。ゴキブリは、窓や壁のすき間だけでなく配管を通じて室内に侵入する場合もあるため、窓を閉め切っていても油断は禁物です。
不動産の価値が下がる
害虫が部屋を傷つけたり、死臭が家の骨組みまで染みついたりすると、大規模な補修が必要です。こうなると、不動産そのものの価値が下がってしまいます。
また、孤独死の発見までに時間がかかった場合、物件は事故物件に該当します。事故物件を売却しようとしても、購入者が心理的な抵抗感を抱き、売れるまでに時間がかかることは容易に想像できるのではないでしょうか。売却できるとしても、本来見込まれた売却価格よりも2割から3割ほど下げる必要があります。
部屋の修復に時間や費用がかかる
孤独死によって、傷ついたりシミがついたりした賃貸物件は、原状回復工事だけでなく基礎部分から工事をおこなう可能性もあります。工事の規模が大きくなるほど、時間も費用もかかり、遺族と大家(管理会社)がそれぞれ費用負担する割合もケースバイケースとなるため、長い時間がかかるでしょう。
ゴキブリを自身で駆除するのは避けたい
孤独死の現場でゴキブリを見つけたとき、できるだけ早く駆除したいと思う人がほとんどではないでしょうか。しかし、以下の理由があるため、自分で駆除しようとするのは避けたいものです。
- 健康被害を受けるため
- 卵の駆除が難しいため
- 肉体的・精神的負担が大きいため
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
健康被害を受けるため
ゴキブリは、以下の害虫の分類にすべて該当します。
分類 | 被害内容 |
---|---|
衛生害虫 | 菌やウイルスなどを媒介し、衛生環境を悪化させる |
不快害虫 | 存在により人を不快な気持ちにする |
経済害虫 | 経済上の損失を与える原因となる |
このうち、孤独死の現場で特に注意すべきなのは、ゴキブリが持つ衛生害虫の特徴です。ゴキブリそのものは、全身を油膜で覆われているため雑菌の影響を受けないにもかかわらず、雑菌をまとって室内を動き回ることで、以下の病原体をまき散らしてしまいます。
病原体 | 引き起こされる疾病 |
---|---|
サルモネラ菌 | 食中毒 |
チフス菌 | 腸チフス・パラチフス |
赤痢菌 | 赤痢 |
大腸菌 | 尿路感染症急性胃腸炎 |
腸炎ビブリオ | 食中毒 |
小児麻痺病原体 | 小児麻痺 |
ゴキブリを自身で駆除しようとすると、これらの病原体を体に受けてしまい、感染する可能性が高まるのです。ゴキブリ以外の害虫にも、病原菌を持っているものが多く、感染リスクは避けられません。
卵の駆除が難しいため
前述したように、ゴキブリの卵は繁殖力がとても強く、完全に駆除しないとすぐに繁殖してしまいます。卵を産み付ける場所は、冷蔵庫の裏・シンク下の戸棚・床下・天井裏など、人目につきにくい場所も含まれるうえ、卵は殺虫スプレーも効かないほど頑丈であり、家中に産み付けられた卵をすべて駆除するのはとても難しいのが実状です。
繁殖したゴキブリの卵を全て駆除するには、専門の清掃業者による作業が欠かせません。駆除だけでなく、消臭・消毒作業も依頼できます。
肉体的・精神的負担が大きいため
孤独死によりゴキブリが繁殖した部屋は、駆除や片づけに床材・クロス・畳などの張り替えが必要なケースがあります。普段これらの作業に慣れていないと、順序が分からず手間取ってしまったり、肉体的に負担がかかったりします。
孤独死で親族が亡くなった状況で、生前とは全く異なる光景や臭いを目の当たりにしながら作業をしなくてはならないと、精神的な負担も大きくのしかかるでしょう。
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孤独死の遺品整理をする流れ
孤独死の遺品整理は、基本的に故人が指定した相続人もしくは法定相続人がおこないます。スムーズに手続きするために、流れを把握しておくと安心です。
- 警察に連絡し手続きを取る
- 特殊清掃と遺品整理を依頼する業者を決める
- 特殊清掃が終わってから遺品整理・形見分けをおこなう
1.警察に連絡し手続きを取る
孤独死を発見したら、まずは警察へ連絡しましょう。担当者が、孤独死の現場検証をおこない、身元確認のうえ死亡時刻や死因の特定・事件性の有無などを調べます。
警察の現場検証が終わるまでは、現場に入ったり室内の物や遺体に触れたりすることはできません。現場検証と身元確認が終わったら、警察から遺族へ連絡が入ります。万が一身元が確認できないときは、警察が遺体を引き取りDNA鑑定などをおこなう場合もあります。
2.特殊清掃と遺品整理を依頼する業者を決める
警察による遺体の引き取りが終わったら、現場の特殊清掃と遺品整理を依頼する業者を決めます。できるだけ、特殊清掃と遺品整理を同時に依頼できると良いでしょう。現場の汚れを安全かつ確実に取り除くには、孤独死現場の清掃や遺品に関する実績が豊富な業者を選ぶのがポイントです。
急いで業者を決めてしまうと、トラブルにつながるおそれもあります。複数の業者から見積もりや作業内容を提示してもらったうえで比較し、希望する作業を依頼できるか・金額は適切であるかを見極め、業者を選びましょう。
3.特殊清掃が終わってから遺品整理・形見分けをおこなう
孤独死の場合、遺品に体液や腐敗臭が染みついており、特殊清掃をおこなっても残せる遺品の数はそれほど多くありません。ただ、遺品はどれも大切な品物であり、残せるものは残したいと思うのが遺族の心情ではないでしょうか。業者や遺族間で相談しながら、納得のいく遺品整理・形見分けをおこなうことが大切です。
まとめ:孤独死の遺品整理は経験豊富な業者に依頼すると安心
今回は、孤独死の現場でゴキブリが出る理由やリスクを解説しました。孤独死の現実に直面しながら必要な手続きをするのは、肉体的・精神的に辛いものです。慣れない作業で時間をかけるのではなく、経験豊富なプロの業者へ遺品整理を依頼すると、適切な流れでスピーディーに作業でき安心です。
「遺品整理を行う時間や体力がない方」や「孤独死の現場で作業をするのが辛い方」は、専門の遺品整理業者に依頼することをおすすめします。業者に依頼することで、不要な物を手早く適切に撤去することができ、家財整理にかかる負担を軽減できます。
ただし、遺品整理業者の料金やサービス内容は、業者ごとに違うため、複数の業者から相見積もりを取り、料金や作業内容、信頼性などを比較検討することが大切です。
まずは、信頼できる遺品整理業者に見積もりを依頼してみてください。適切な業者選びと準備で、無理のない費用で満足のいく遺品整理を実現しましょう。
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